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今日の作家シリーズ46牡丹靖佳展覧会の記録

展示風景


展示風景3 展示風景2 展示風景1
全体を見渡せない展示室Aの空間で、鑑賞者は自ずと何か見える方へ誘われ、そこかしこに作品を発見。 閉じられた絵画世界と開かれた壁に描かれる世界。その狭間を浮遊するように鑑賞者は彷徨います。 ランダムに置かれた可動壁は実は緻密に計算されており、見える作品、一部だけ見える作品、隠される作品、と多様な視点が暗示されています。

作品画像

展示室Bにてインスタレーション風景 展示室Bにてインスタレーション風景2
緻密に描き込まれた作品「ドゥリポタ=モジ」。何かしら寓話的な世界の断片がいくつもの層をつくっています。近づいてみて初めて見える密やかな風景もあり、少し離れて見えてくる風景もある。装飾的なモチーフの断片、寓話的な世界の一部、すべては完全でなく不安定でありながら、どこか懐かしい安心感を覚える作品。  一見、空っぽの事務所のように見える展示室Bは全体が暗く、中央に位置する柱の向こう側から光が差し込む。足下の床から飛び立つカーペットの鳥に気づくとき、鑑賞者には何もないように見える空間が突如、異空間に変わるのです。 奥の壁にかけられた絵画の世界と現実の世界がリンクするような感覚を覚える。
展示室B作品アップ
B室インスタレーション拡大図

イベントの様子


ライブ・イベント「ドローイングドライブ」牡丹靖佳+永岡大輔+岩田江+西浦徹 
アーティストの永岡さんを迎えてのライブ・イベント。岩田江さん(アルトサックス)と西浦徹さん(ギター)の音をベースに3部構成で多様なドローイングを披露しました。
イベントドローイングドライブ
1)
イベント風景2
2)
イベント風景3
3)
1)  1部は観客参加。牡丹さんや永岡さんが観客にそっとアクリル板を渡し、即興で似顔絵を描いていく。見つめられてちょっと恥ずかしそうなお客さん。  2) ,3)は2部の様子。 永岡さんが描いたドローイングのアニメーションを投影。その映像にかぶせてはどんどんドローイングが描かれ、また映像もどんどん移り変わる。
イベント風景4
4)
イベント風景5
5)
イベント風景6
6)
4) 3部は各々が描く。そのドローイングがカメラで捉えられ、秘密の機械で融合。ひとつの「絵」として投影される仕組み。  5),6) 全体をうねらす音に刺激され、観客は目の前で繰り広げられるアーティストの弾む筆さばきにわくわくしながら、同時進行でできあがる第3の「絵」を楽しむ。

来場者の声(アンケートより)


  • 展示の仕方が面白い!迷路に入り込んでしまったような気にもなりました。
  • 壁面のペインティングも含め、空間自体が独特で絵の中の空間とマッチしていた。
  • とても好きです。近くでも離れて見てもまた違った面白さがあって。部屋にこんな絵を飾ったらどんなに素敵かと思います。
  • 日常に使われている床を切り取り、窓からの風に吹かれて飛んでいくようなイメージが楽しいと思います。切り取られた床板の形が造形を助けていると思います。光の効果もいいですね。
  • 現代美術はわからないと思っていたが、具象イメージの連想でこんなおもしろいものが出来るのかという感をもった。
  •  ドローイングドライブは音楽と体、手が一体となって見る人々も惹きつけるようなライブでとてもよかったです。

牡丹展のカタログをご希望の方は、


1)当センター事務所でお渡しします。 牡丹展カタログ写真
2)角2サイズ(24.0×33.2cm)の返信用封筒に郵便番号、住所、氏名をお書き頂き、140円切手を添付のうえ、当センター『今日の作家シリーズ46』展係までお送りください。
※ なくなり次第終了となりますので、ご了承ください。
※ 「今日の作家シリーズ47 居城純子」展のカタログをあわせてご希望の方は、角2サイズの返信用封筒に郵便番号、住所、氏名をお書き頂き、200円切手を添付のうえ、『今日の作家シリーズ46・47』展係までお送りください。

 展覧会を終えて


絵画世界を大切にしながら、鑑賞者を含めた現実空間をも取り込んだ表現を模索する牡丹さんにとって、今回は、絵画世界からのさらなる脱却を試みるべく、実験的な展示方法に挑戦した意欲的な展覧会となりました。会場となった二つの展示室は、それぞれ異なった性質の空間を持ちます。それらを大いに活用しながら、牡丹さんは現地制作の壁画2点と新作11点を中心にインスタレーションを構成しました。

 大きく白い空間を持つ展示室A(南館1階)では、展示室全体に可動壁が散在し、作品の一部が見えたり、別の空白の壁が見えたりします。鑑賞者は移動するのにあわせて見え隠れする作品の断片に誘われて、いつの間にか作家の織りなす作品世界に迷い込みます。また、展示室B(北館地下1階)では、窓やカーペットがある事務所のような空間が効果的に使われました。天井から外されて転がる蛍光灯、開けっ放しの窓や扉、そして床のカーペットからは無数の鳥が切り取られ、あたかも飛立っているようです。奥の壁にはひっそりと小さな絵画が掛けられています。この絵画と展示空間をあわせて体験することで、鑑賞者は現実空間と絵画世界が融合した別の新たな現実感を味わうことがでるのかもしれません。

 通常、展示室に入れば見るべき作品、見るべき流れが自然と促されていることが多いですが、今回の展示では、一見してどこに作品があり、どう見るべきなのかが示されていませんでした。何の指示もない空間に戸惑いを感じた鑑賞者もいたかもしれませんし、逆に開放感を味わった鑑賞者もいたかもしれません。それぞれに作品に見出した楽しみや幸福感があれば幸いです。たくさんの方にご高覧頂きありがとうございました。

  >>展覧会詳細